研修医のあるある② ~○○より怖いもの~

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今週のお題「怖い話」

病院内部での怪談は、当直(夜勤)にあたる研修医や新米看護師がからかわれる対象になってしまうことは”研修医のあるある ~先生、〇〇病室、いますよ。~”で紹介した通りなのですが…。病院ではときどきもっと怖い思いをすることがあります。

入院病棟にはすぐ治って退院される方から、慢性疾患の悪化やがんの末期でいよいよ体力が落ちて入院されている方まで様々です。

今は在宅医療を政府も後押しする傾向ですが、20年前はもっと病院での最期を希望される方が多かったです。

研修医の頃、数か月間赴任した病院でのことです。病棟にずっといると、どの患者さんに毎日どのご家族が面会にくるのかわかるようになります。

意識のないおばあちゃんに毎日、定時に1時間ほど面会にくる息子さんがいました。毎日顔を合わせるので、おばあちゃんが変わりないことをお伝えするのですが、「あと、(亡くなるまで)どれくらいでしょうか?」から始まり、実は兄弟と遺産のことでもめていて、兄弟は遠方に住んでいるからもし面会にくるのならこの時間だと思うこと、母が亡くなっても兄弟には連絡しないでほしいetc。

もちろん医師としてどんな家族背景があってもすべき治療は変わりませんし、ご家族には説明義務があるので、もう長くはないけど、正確な死期はわからないことだけお伝えしてその場を去りました。

これが医師として働いている間に”幽霊より生きてる人間の方がこわいな~”と思った初めての出来事でした。

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